‍皆さん、こんにちは。代表のENIWAです。

前回のブログでは、

音楽大学卒業生や現役音大生が、どんな音楽の仕事に就いて、どれくらい稼げるか?

というお話をしました。

前回のブログ

音楽大学卒業生は音楽の仕事で稼げるか?

音楽を専門として勉強してきた学生さんでも、
音楽の仕事に就き、稼ぎ、生計を立てるということの大変さ、

また、職種によってとても稼げたり、また大企業への就職を目指し重要な役職を得ることで稼げたり、専門分野を活かしてフリーランスや自営を行うなど、いろいろなビションを持てる魅力がある、

ということが、お分かりいただけたかと思います。

今日は、音楽大学卒業生もしくは現役の音大生は、
ボイストレーナーになれるか?また稼ぎ生計を立てれるか?

そんなお話をしてみたいと思います。

 

ボイストレーナーになるには?

以前ブログでも紹介いたしましたが、まずボイストレーナーになるために、資格などは必要ありません。また音大卒である必要もありません。現に、わたしは音大出身ではありませんし、音楽指導に関する資格も持っていません。

わたしは、ボイストレーナーです!
と名乗れば、その日からあなたはボイストレーナーになれます。

もちろん、なったその日から稼げる、生計を立てれる訳ではありません。

個人やグループのレッスンを担当し、レッスン生がいて始めて収入になります。
そして生計を立てれるようになるためには、

・たくさんレッスン生を持ち、たくさんレッスンを実施する。
・1レッスンの価値(1レッスンに対してもらえるお金)を高める

この2つが必要となります。

 

ボイストレーナーに必要な要素は?

ではどうすれば、たくさんの生徒さんを持ち、1レッスンの価値を高められるか。

ここから先の話は、あくまでわたし自身の考え方や方法論なので、これが正しいということではなく、わたしはこうやってお仕事をしている、
というご紹介として読んでいただけると幸いです。

またその考え方や方法論は、わたしが今まで出会ってきた音大出身のボイストレーナー、現役ミュージシャン兼ボイストレーナー、ボイストレーナーを本職にしている方など、たくさんの方々のお話やレッスンを見聞きした経験から独自に作り出してきたものだ、という点も踏まえて読んでみてください。

1.スキルチェック能力

わたしが初めましての方にレッスンを行う時は、必ずこれをやります。
個人レッスンとグループレッスンとでは、やり方が大きく変わりますが、
ここではとりあえず個人レッスンの場合と考えてみてください。

その人が、どういう身体の使い方をしていて、それによってどういう声が出ていて、総合的にどれくらい歌えるのか、を1分程度歌ってもらいます。

それを聞いている間に、次のことを考えます。

2.レッスン方向性の見極め

スキルチェック後、雑談に見せかけたカウンセリングを行います。
好きな歌手やミュージシャン、好きな曲を教えてもらったり、

歌ってる時の悩みや、どんな風に歌えるようになりたいか、を聞き出します。

ただほとんどの場合、それはわたしがスキルチェックしている間に考えてることと、表現は違えとほぼ同じです。

例えば、

・生徒さん「もっと声量を出したい」
わたしの頭の中(呼吸法改善と必要な筋力アップだなぁ)

・生徒さん「声枯れやすい」
わたしの頭の中(喉に力が入りすぎだから、口の形改善や舌の力を抜くトレーニングだなぁ)

など、極々簡単でありがちな例えですが、

始めから、あなたは声量がない、喉で歌ってる、て決めつけて言ってしまったら、例え本人がそう思っていたとしても自分だったら嫌だな、て思ってしまいます。

だから、雑談の中で和やかな雰囲気の中で、じゃあ、その悩みやそんな風に歌えるように、トレーニングしていきましょう。

とまとめて、レッスンの方向性が決まります。

3.必要なトレーニングの引き出し

方向性が決まれば、いよいよその人に合ったトレーニングがスタートいたしますが、
わたしはその内容は、2つのポイントにしたがって行っていきます。

一つ目は、個性を大事にします。

こんなことを言ってしまったら音楽大学の先生や卒業生、在学生皆さんから怒られてしまうかも知れませんが、

音大で習う声楽の発声て、みんな同じ歌い方に聞こえてしまうのは、わたしの耳が悪いからかも知れませんし、そもそも、声楽として理想とする発声法があるから、みんなそれを目指し、似た感じになってしまうのかも知れません。

しかしそもそも、ボイストレーニングを習いに来る人の全員がその発声法を求めているわけではないと思いますし、
何よりその発声法で、ポップスの曲歌ったら違和感あると思いませんか?

なので、わたしのレッスン内容は100人いたら100人違う内容で、その人その人に必要なことをピンポイントでトレーニングしていきます。

二つ目は、
良い所を伸ばすより、出来てない所を伸ばす

あなたの歌の良い所は、ここだからそこを伸ばしていきましょう。
よくありそうなフレーズですね。
もちろんそれも大事ですが、

それってよく考えてみると、例えば病院に来た患者さんを診察してみて、足を怪我してるのに、あなたの腕はとてもよく機能してますね。だからもっと腕をよく使えるようにしていきましょう、と似てませんか?

足は?とツッコミたくなりますよね。

歌も、出来てない所を伸ばしてあげたほうが圧倒的に上達を実感できますし、何より他人が聞いた時に、今までとハッキリ違うのを聞いてとれると思います。

4.手順を踏む構造的な知識と具体性のある指導力

ある程度ボイトレの知識ある方が、初めて習い始めるという時に、

やりたい事が、
・高い音を楽に出したい
・ミックスボイスを出したい
・ビブラートを使えるようになりたい

など、初めて習う内容としては少し難しいことをやりたい、という方もいます。

そんな時、わたしはあえていきなりその内容のトレーニングをせず、基本から教えていきます。なぜなら、急がば回れじゃないですが、
その方が結果的には、習得が早いからです。

例えて言うなら、

足し算引き算掛け算割り算が出来ないのに、因数分解やれ、と言われてもできませんよね?

ボイストレーニングもちゃんとそういった手順があって、基礎ができてるからこそ応用的な内容を習得できる要素があります。

 

またその手順に加えて、具体性を重視します。

よく、頭から、頭の後ろの方から声を出すイメージで!や、遠くに声を飛ばすように声を出して、
もっと表現力豊かに歌って。

そんな教え方を見たことがあります。

勘がするどい方はそれでできてしまうかも知れませんが、そういう人たちばかりではありませんよね。

実際、頭から声は出ませんし、ただ頑張れば声が遠くに飛ぶわけでもありません。ましてや表現力豊かに関して言えば、上手に歌って!って言ってるのとあまり変わりありません。

例えば、100m走選手にトレーナーから、もっと速く走って!100m10秒切る速さで走って!

って言われても。。

となってしまいます。

どこの筋肉をどのように、どれくらい使って、どこからどのように息を吐いて、など。
この場面では、こういうテクニックを使って、ここでは声色をこう変えて、

などなるべく多くの人が、

何をやれば出来るようになるのか、極力具体的に言ってあげること、

これがとても大切だと思っています。

 

まとめ

これまで、

・ボイストレーナーになるには?

・ボイストレーナーとして必要な要素とは?

などを話してきましたが、

音楽大学では習わなかったことなんかも、情報としてはあったんではないでしょうか?

上記以外にも、

・人間性

たとえ、トレーナーと生徒という立場でも人と人との関係であることには変わりありません。
どれだけ、生徒さんの悩みに寄り添えるか、歌を教えるだけが、ボイストレーナーの仕事ではないと、思っています。

・伴奏力

わたしはピアノを習ったことはありません。ですから音楽大学卒業生の方がピアノは圧倒的にわたしより弾けるはずです。
でも、ピアノを弾くのと、生徒さんに合わせてピアノ伴奏をするのとでは全く違います。

ピアノ伴奏という点においてなら、ボイストレーナー未経験の音楽大学卒業生や現役音大生の方々より、生徒さんが最も歌いやすい弾き方をしてあげれると思いますし、知らない曲でもコードという和音表記の楽譜があれば知らない曲でもすぐ伴奏ができます。

こういった様々な要素から、生徒さんから信頼され、レッスンの価値が高まり、

最初に述べた、

たくさんのレッスンを高い価値をもって実施できるようになり、
それが結果的に、稼ぎ生計を立てていけれるようになるんだと思います。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。